2011年11月30日水曜日

念願の、



GLS Bankにて銀行口座を開設した。
この銀行はドイツの大手銀行のように身近に支店はないので、普通窓口に行って30分程度でつくれるはずの銀行口座を、私の場合は数週間かかっていたので、最後は自分が本店に乗り込んだ。

GLS Bankの場合、前述のように支店がその辺にないが、Postと提携しているので、Postで口座開設の手続きを踏むことができる。本人確認を行った後、本来ならすぐできるはずなのに音沙汰がないので、電話したりメールを送ったりしたが、その対応が悪いわけではないけど、興味があったこともあり、結局本店のあるBochumに休みを取って向かった。

残念ながらあまりお金の入ってくる生活をしていないが、そんな自分の余り金でないお金でも、社会がよい方向を向くために使われて欲しいと切に思うので、ここに口座を持つことは、ドイツで生活をする上で1割を占めるくらい重要だった。自分が口座を持つ銀行の本店に行くことは非常に価値のあることだった。なぜ手続きが滞っていたかというと、それは恐らく、名前と名字を取り違えられるとか(一度手紙が届いているのに)、割と残念な理由で、もしくはPostのミスかなにか(これは実際あまりない)だったようだ。本店に行き、来た理由を説明し、自分の名前を紙に書いて、こっちが名字だからと付け加えて言ったのに、私を担当してくれる紳士は、私のデータが見つからなかったと最初に告げた。それだけ、私は未知の存在なのだ。だからこうしてするっとことが進まないことに全く嫌悪感は感じない。

この担当してくれた紳士は、さくっと口座をつくり、オンラインバンキングで必要な初期のパスワード変更&設定や、振込の際、smsで携帯に暗証番号が送られてくるなど、パソコンを前にして丁寧に説明してくれた。ちなみに彼は今まで仕事柄色んな国の人のパスポートを手にしてきたそうだが、日本人は初めてらしい。よく考えたら不思議だよね、と私もこんなに人口の多い日本人が何故彼と(GLS Bank)と関わらなかったのだろうと、同じく不思議かつ光栄に思った。そんな手続きの最中、君はドイツで生まれたの?だったか、もう長くいるの?だったか、忘れるほど驚く問いを受け、それに私は最初に一瞬間を置いて、いや全然そうではない、と答えたことを覚えている。そして、大学の時に1年Freiburgにいて、あ、その前にも何回か来たけど・・と続けた。雰囲気だけでもそこまで出せるようになったのかと、その類いの質問の中では抜群によかったので、とても嬉しかった。ただそれが毎回になるようにしたい。ここ、ルール地方の人々は、Freiburgがドイツ南部のどちらの州に属しているかさえわからない人がいるが、やはりGLS Bankの人間、彼は自称Freiburgをよく知っているよ、と言った。さすがである。

HPに12月2日は行事のため、Bochum以外の支店、Freiburg、Berlin、Frankfurtなどの支店をすべて閉めると掲載してあった。その日には本店から歩いてすぐ、最寄りの地下鉄の駅名でもある"Schauspielhaus"(劇場)にて"集い"があるらしい。年末だしな・・ちょうど目印に方向を確かめてきたものが、実際にどう利用されているのか知れてというか、GLS Bankのことが知れて嬉しかった。


一枚目の写真は中央駅、二枚目がその劇場。
Bochumは今回初めて行ったが、中央駅から出た目の前の印象が、例にもれず"四角い"。
ここもルール工業地帯の一都市だった。でも銀行から中央駅への帰り道、ドレッドヘアの女性や、Freitagバッグ2個持ちの男性などを見て、口座ができたのも相まって気分がよくなる。ドレッドヘアは私のドイツの原風景、FreiburgはVaubanにすぐに運んでくれる。


2011年11月3日木曜日

美しい紅葉



私は戻ってくることができた。
会いたい人たちがいるところへ。

バスの窓から見えたのは、本当に綺麗な木々の紅葉。
去年の今頃は知らなかった道を、朝の澄んだ空気を、噛み締めて、
誰かに会いに行く。

ただ、そんなことができるのは週末のみ。
平日は理想に反する現実を突きつけられ、ただ、進むのみ。
自分がしてきた決断を後悔したことは一度もないけれど、
怯むこと、ゆれること、多々アリ。
でも今を生きて、通過していかないと、当たり前だけど先に行けない。

葉が雨で落ちてしまう前に、もう一度そこを歩きたい。