2010年10月から2011年9月まで、私が平和村でPraktikumをして見つけた答え
私は平和村で過ごした後、自分がどう転ぶか知りたかった。
人間が生きる上で絶対必要な"医療"の方向に行くか、自分の感性を生かせる、人間の"欲望"の方向に行くか。
後者だった。
ただ欲望に寄り添うのではなく、私はその領域においてやりたいことがある。
私にとって重要性が高いのは、Kinderschutz(子供を救うこと)ではなく、Klimaschutz(気候を保全すること)
だった。だからこれからはその自分がいる領域から、これに貢献したいと思う。
平和村には日本から来るボランティアが、常時10名ほどいる。
この中には平和村がドイツにあるからドイツに来る人と、ドイツに来たくて平和村に来る人がいる。
私は後者。
先述したことに、やはり一番興味があることがわかったけれど、ドイツという国を初めて意識したのは、平和村を通してだった。だからドイツと私を会わせてくれたことを感謝するために、1年無給で働くという意味もあった。そしてその後、ドイツに残るために。
平和村の活動は簡単にできるものでは全くないし、ものすごくインパクトがある。それが実現できるドイツという国に私もとても驚いた。日本人の職員がいるから日本語で情報が簡単に手に入り、少しばかりのドイツ語の学習歴さえあれば、平和村にボランティアに行くのは難しくはない。
だけれどその数は、ドイツ人のPraktikantより常に断然多い。
これは本当におかしいと思う。
日本から平和村に行く人も、それを喜んで受け入れ続ける平和村も。
日本から平和村に行く人に関しては、半分くらいは理解できる。自分もそうであったし、興味を惹き付けられる情報が、十分すぎるほどあり、長期滞在できるビザを手にすることが難しくない。
ただ戦争や地雷、事故、先天性な病気を持つ子供たちを助けたいがために、ドイツまで環境負荷をかけて渡航することは、推奨されるべきことではないと思う。そうした助けが必要な子供たちは、日本やもっと身近な場所にもいる。一時的な労働力として身を投じに来る、または来させるには、もっと近場の労働力が適していると思う。
私はKinderschutzを理由に、それを正当化してKlimaschutzに反することは間違っていると思う。
これはもちろんKinderschutzに限らず、企業戦士ぶって、また自分のエゴが故に、気候に害を与えている人全般を対象に思います。
以上、平和村体験記というより、体験を通して得た所感でした。
※Praktikum: インターンシップの意。学業や職業訓練を受けたあと、またはそれに平行して、無給や少量の賃金で、実習(労働)を行うこと。
※Praktikant: インターンシップをする人。平和村の場合、高校卒業試験を受けたあと、大学に行く前に、社会的見識を広げるために、半年から1年ほどPraktikumをしに来る若者が多いです。
ドイツ国際平和村:
https://www.friedensdorf.de/