2012年2月11日土曜日

2月11日反原発アクションに見る都市論①




本日2月11日は、ドイツ全土で反原発アクションが開催される。
3月11日は地震、津波の犠牲者へ追悼の意を示すため、1ヶ月前倒しとなる今日の方がアクションとしては数が多い。

このサイトで確認すると90以上の街で、“フクシマはどこにでも存在する”、“原子力発電所は今すぐに止めるべき”と掲げるアクションが登録されていることがわかるが、驚くべき事に、ドイツで最も人口の多い、ここ1800万人が暮らすノルトライン=ヴェストファーレン州(NRW州)でのアクションが非常に少ない。他にもおよそ同数のアクションが登録されている州があるが、例えば初の緑の党出身の州首相のいる(フライブルクのある)バーデン・ヴュルテンベルク州(BW州)もそうだが、こちらはNRW州より800万人人口が少ない。また、ラインラント=プファルツ州だって同じくらいだが、ここはBW州の半分以下の人口である。なんらかのアクションはあるけど、単にこのサイトに登録がないとか、街の規模としてはとても小さいところもあるので、一概に簡単に比較はできないけれど、NRW州でのアクションが人口比率からして明らかに少ないことはわかる。

ここNRW州にはケルン、デュッセルドルフ、ドルトムント、エッセンというドイツで人口の多い都市10位に入る街があるが、このいずれの4つの街でもアクションの登録はない。でも何かあるだろうと思い、"各地名 FUKUSHIMA"でググってみた。この入れ方をすると基本的にフライトが検索されて上位にあがってきてしまうが、例えばフランクフルトの場合、やはりでかい空港があるので、そりゃフライトが出てきてしまうが、ちゃんとアクションも引っ張ってきた。これに対し、デュッセルドルフもやはり同じくフライトを引いてくるが、それっぽいものがあると思い、見てみるとなんと去年のものだった。驚愕。やはりこの州から出たくなる。例えばアーヘンやミュンスターというとても素敵な街もあるが、トラムがないので私の理想的に住みたい街ではない。

このNRW州の特徴と言えば、やはり大きな商業都市を複数抱えていることだろう。
だから簡単に言えば、金が好きで私腹を肥やしたい人が、そのうちの一つ、ここデュッセルドルフにも集まるのだ。きれいにばりばりに着飾って買い物に繰り出したい人が来るのだ。もちろんそんな人ばかりではないが、やはり人は何かの理由があってその街に住む理由を決めるものなので、基本的にその街を受け入れることが、気に入ることができなければ、その人はその街に来ないし留まらない。こうしてこの商業都市に集まり、これに飲まれてしまっている人たちが、結果的に無関心とまではもちろん言わないが、他都市に比べて反原発にアクティブではない都市を作っているのだと思う。


私は否が応でも、このマークをそこら中で見るフライブルクがデフォルトなので、その空気が感じられないここデュッセルドルフを上記を理由に、"肌に合わない"と思っているが、実はこれらアクションの分布は、原発がある位置と多いに関係があった。
実は、このNRW州原発がない。そしてベルリン、ブランデンブルク州、ザクセン州、テューリンゲン州、ザクセン=アンハルト州にもなく、これら州での反原発アクションも少ない。逆に、原発が近くにある場所ではアクションは多いので、これは近くにあるから危機意識が高いということがやはり言えるのだろう。

例えば一昨日、サルコジがフランス東部、ドイツと国境を接するアルザス地方フェッセンハイムの原子力発電施設を訪れ、まだ稼働を続けると宣言した。これにばりばり反応するのが、25km圏内に住むフライブルク市民たち。
彼らの意識はもはやこの隣国に向いており、3月11日は、フランスでの反原発アクション、原発密集地帯リヨンからアヴィニヨンまで235kmの距離に「人間の鎖」を作りに行くべく、フライブルクからはシャトルバスが出ます。
アルザスはドイツに隣接するけど、リヨンはジュネーブのちょっと西なので、アルザスに比べて近いわけではないが、ドイツはドイツに住む人に任せて、自分たちは隣国を攻めるといったところなのでしょうか。
非常に行きたいところですが、私は3月11日はオランダと国境を接するドイツNRW州にあるウラン濃縮プラントでのデモに行きます。


色々まだ書きたいことがありますが、とりあえずこの辺で。