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2012年1月1日日曜日

聖夜を走る



夜8時前、Dresden- Neustadt
がらんとした駅

これは12月24日
この日私は早朝DüsseldorfからDresdenに移動して、Rを見舞って、これからBerlinへ行く途中。
翌々日にはBerlinからDüsseldorfへ戻る。
この3区間すべての移動をMitfahrgelegenheitと言う、事前登録制の相乗り照会サイトで移動を確保した。
クリスマスだったせいもあり、道は空いていて、あっけないほど順調に都市間を移動できたけど、何より自分が乗りたい区間の席を確保するほうが、もっとさくさく事が進んだ。私が割と直前に、その区間を運転する人と連絡を取っているにも関わらず。

こういう合理的かつクリアなシステムが成り立っていることが、やっぱりドイツだなと思う。
必要なこと(移動)を共有して、その間は話をするもよし、寝るもよしで、目的地に到着。代金を運転した人に支払って、お互い安価に移動できたことに満足して、さらっとお別れ。
土地を知るもの同士の会話は、詳しくないとよくわからないが、出発地と到着地に対する感覚や、その人がどういう動き(生活)をしているかが知れて興味深い。

それにしてもドイツは平らだ。
そして私のマイカーに対する抵抗が薄れてきていることに、慣れは怖いと驚く。


2011年12月26日月曜日

Mein lieber R


ドレスデン大学病院
ちょうど3ヶ月ぶりに、私の一番小さな友達、愛しきRに会いに行く。

午後1時、やはりお昼寝中だったけど、看護師さんに部屋に入っていいよと言われ、入ってみる。目が開いている。誰かわかる?と訊くと、わからないとの回答。でも私の名前を言うと、思い出してくれたようだった。
2時半まではベッドから出てはいけないので、彼はそこで普段していることを色々見せてくれ、ぺらぺらと話しだした。元々ぺらぺらだけど、さらに磨きがかかっているのが、切ない。

今ドイツにいる平和村の子供の中で、おそらく一番長いであろうRが来たのは約4年前。1歳くらいでドイツに来たので、もうドイツの子供。母国語はしゃべれない。今日の午後にサンタが来ると、首をながーくして待ちわびて、用意してもらったシャツとサンタの柄付きネクタイに着替える。顔を腕はむちっとしているけど、元々身体と脚は細い。脚が特に細くなっていた。痩せたね、と言うと、あんまり食欲がわかないからあまり食べれないと言った。

私はその前日の晩寝ずに支度をして、早朝からの移動中少し寝たけど、確実に寝不足。Rは私に、私が自分に対して不安があるのかと訊いてきた。最初なんでそんな問いが出るのかわからなくて、そんな目で見ていたのかと動揺したけど、おそらく寝不足のせいだよと言った。でも治療中とはいえ、痩せてしまったことで表情も変わり、ドイツの子以上に上手く、もみの木の歌を歌えるのを見るのは複雑。

私はもともとどんなに痛々しい身体をしている子供でも、それが子供に伝わるような目は絶対にしてこなかった。誰だってそんな哀れんだ目で自分を見られたくないし、あくまで普通の態度を取ってきた。でもさすがのR、自分は普通にしていたつもりでも、寝不足のせいか、ほんとうに目にでたのかわからないけど、やられました。

雪が降り出したことを喜び、窓に張り付いて、あのヘリコプター降り場に、サンタはそりに乗ってトナカイと一緒にやってくるんだよ!と期待高らかに待ちわびる。そちらに興味を惹き付けていると、看護師さんが扮したサンタ登場。まずは別の病室にいる子供に、その子供の家族から託されたプレゼントがサンタによって配られる。何箱も、渡されて行くのをRは見る。歌を歌ってとRに言われたわけじゃないのに、先陣を切って歌う。そうしてようやく自分の番、ひとつ、ふたつと箱をもらい、真剣な顔で喜び、包みをほどく。playmobilの救急車が本当にお気に入りだと、満足そうに言った。

前に来たときは夏のように天気もよくて、外で遊んだり、べったりして楽しんだため、気が付いたら看護師さんと特に治療の話もせず帰った。ひとりドイツの長いRの取り巻く環境を含めて特に心配をしているような、看護師さんと話をした。私はどうにか今度の2月の援助飛行で帰れるのではと、思っていたけど、いい返事ではなかった。治療がうまく進んでいないわけではないけど、まだまだ帰すには危険なのだ。

一体彼はどうなるのだろう。平和村に来る子供は基本的に皆ただ事ではないけど、Rの場合、その域を越え過ぎている。彼を知る、彼と関わりのある人皆が、その人の立場で彼を本当に心配して、彼にとっての最善のことを考える。彼が再び家族と会える日は来るのか。想像を絶するような気持ちで帰りを待っているだろう。何より完全にドイツ人化してしまったRが母国に溶け込むには、どれくらいの歳月がいるのだろう。その間、彼はどんな想いで日々を過ごすのだろう。考えだしたら全てが悩ましすぎる。

でもとにかく、今は治療が上手く進んで行くことを願う。
単純に、メリークリスマスと言えないクリスマスが、ドイツにもたくさんある。