2011年1月30日日曜日

旅先に限らず体調を崩すのはもう嫌だ





いけませんね、旅の目的を失っては。何より天気を甘く見ては、いけません。
旅先というのは相変わらずパリです。1月のシフトが作成者の都合でとても早く出たので、早割の鉄道のチケットをざっと見たところ、私が行きたい所で一番安かったのがパリでした。また荷物も届いているし、髪を切るという理由も見つけて、予定を立てたのですが。
私の髪。卒業以来、ほぼ2ヶ月に一度切ってきたけど、8月に切って以来伸び放題。いい加減賞見期限が切れたので、切ろうと思ったのに、くくれることが判明。樋口可南子だったのに、ひさびさのくくれる感じが新鮮で、もうちょっと様子を見ようと予約をキャンセルしたのでした。

こちらの方は年が明けてから寒さが弛み、パリも滞在予定の日は雨だけど気温は6、7度という予測。それに対して万全の防備で挑まなかった私は、雨で濡れる足下とストールをしていない首もとからやられました。行きたいお店が2つほどあったのですが、通りと番地を入れ替えて考えていて結局辿りつけず、無駄に伯母宅と店を移動してもうふらふらでした。
そして悲劇は翌日の朝。トイレに起った後、頭が朦朧として椅子に座ってもこと足らず、落下し、気付けば床の上でした。こんなことは初めてで、もう何がなんだかわからない。1月上旬に病欠を4日も取って、処方してもらった薬も全て飲みきって、今まで引きずっている風邪とようやくおさらばしかかっているのにこの惨事。もういい加減、万全な私に戻りたい。このままではやりたいことが、なにひとつできない。

前回のパリは、同じ旅程だったけど大満足だった。それとは180以上異なる、まさに天から来る必要がないと言われているような休暇でした。近頃はとても南仏に惹かれます。そう感じるようになったことに、老いたことを感じますが、ほんとにそろそろパリを離れるべきでしょう。それに伴い、離れたいと思っている私の興味を占める事柄と離れることもできるかもしれません。

とりあえず、今回パリを見て思ったこと。iPhoneとBlack Berryの使用率が非常に高いこと。メトロに乗っていると、携帯を触っているひとのほとんどが、このどちらかでした。また、UGGのようなシープキンブーツを履いている人がほとんどいなかった。パリも寒かったはずなのに、革のブーツ姿の人が多く、これはドイツとは逆でした。私の靴はまさにそれで、どんどん汚くなっていくのでなんだかみすぼらしい気分にもなりました。。あとなんだか人が柔らかかったな。。コスモポリタンな人やムードはやはり心地がよいです。


2011年1月21日金曜日

映画館/ Das Kino



昨日は休みで用事をしがてら外に出たのだが、映画館が目に入り、そういえばナタリー・ポートマン主演の「Black Swan」がその日(1月20日)に公開になったことを思い出した。上映時間を聞くと、18時から毎日3回。あと1時間半くらいだったので、もうちょっと暇をつぶして行くことにする。

何をして暇をつぶすかと言うと、「Black Swan」を上映しているCineStarというシネコンは、巨大ショッピングセンターを中心にレジャー施設も備えている、このOberhausenの新都心(Neue Mitte)と呼ばれるところにある。CineStarをもう少し奥に行くと、10月にお亡くなりになったタコのパウル君がいたSea Lifeがある。なのでそのショッピングセンターをもう少し徘徊して、小腹も適当に膨らし、いざもう一度足を踏み入れる。

事前にもらっていた上映案内によれば、毎週曜日ごとにチケットの値段が異なっている。火曜日が6€と一番安く、次に月曜と水曜が6.70€、この日の木曜日は7€で、金土日は7.50€だった。チケット売り場で一枚くださいと言うと、上か下かと聞かれる。上の方が1€高いらしい。まぁ別に下の値段のつもりだったので下と言い、座席番号が書かれた券をもらう。スクリーンに入って席を探すと、下の席の一番上よりの真ん中だった。真ん中といっても通路が真ん中を貫通しているので、その横。通路が真ん中というのはいかがなものかと思うが、それより私より先に入っている人すべてが上の席だったので、なんだか恥ずかしかった。そのあと女の子2人組が私と同じ列の通路反対側に座ったので、全く一人というわけではなくなったが。

その女の子たちはなんだかやたら長い上と下がフラスコみたいなドリンクと、スナックをもっていた。スクリーンに入る前にちらっとフード・ドリンクの値段を見てみると、エビアンとか500mlサイズのペットボトルで、3.50€以上していた。スーパーで買うなら、ペットボトルのデポジットを入れても1.50€くらいである。映画を見るだけでいい私と違って、他にも結構、映画を見ることと、映画を見ながら飲み食べするものがセットになった人たちがいた。

「Black Swan」は前評判どおり、ナタリー・ポートマンがすごかった。なんだか相当追い込まれて幻想が見えているのだが、アメリカ的な細工でちょっとおもしろいのに、サスペンスかホラーみたいな迫力がすごくて見終わったあともドキドキしてました。見所として、映画をよりパーフェクトなものにしていたロダルテの衣装。デザイナー姉妹のダークで繊細な感じは、この映画にぴったりだと思います。また、ナタリー・ポートマンと婚約したフランス人バレエダンサーとの絡みが、気になって見てしまいました。それにしてもナタリー・ポートマン、ほんとにバレリーナだった・・・



こちらはDüsseldorfのCinemaという映画館。11月に公開になった、ソフィア・コッポラ監督の「Somewhere」を見ました。
ここは単館のミニシアターで、京都で言う京都シネマのような映画館。館内にあるカフェや、スクリーンの深紅の緞帳など、映画館に行くために映画を見るような素敵な映画館です。そんなこと言う人は、ちゃんと映画を見れる人ではないと思いますが、もともとミニシアター系の映画が好き(非現実的な話が好きではない)な私としては、こちらの方がやはり馴染めました。夜遅かったけど、一人で来る女の子もいたし、Düsseldorfの芸術アカデミーっぽい学生、すてきな紳士淑女など、映画を見ることを目的とした人が客層でした。働いている人たちも、私を一、映画を見に来た客として見てくれているように感じ、心地がよかったです。チケットは均一7€(10€だったかも)、席はどこでもどうぞ状態。このゆるい感じがやっぱり好きだなぁ・・・

「Somewhere」は、ソフィア・コッポラ監督なので、絵やキャスト、選曲のセンスがさすがでした。ステファン・ドーフのハリウッド俳優役もよければ、エル・ファニングがなんともキュート!ただ、やっぱりアメリカ人なんだと思ったのが、主人公が両側10車線以上あるような道路を車で飛ばすシーンが幾度もあるところ。率直なところ、私はあれは嫌です。ストーリーに必要なのだろうけど、あの発想が出るアメリカというところが、車に頼らない生活をしたい私としては受け付けられません。パリに住むようになって、カリフォルニアを懐古して作った作品だそう。納得。


これはこの映画館がある通り。旧市街地のSchneider-Wibbel-Gasseという細い通りにあります。クリスマスの時期で寒いけどとてもきれいでした。時期は過ぎましたが、その時の写真をついでに少し。


Pempelfort地区のNordstraßeのクリスマスマーケット。手前の車2台はベンツのタクシーです。


旧市街地の入り口、Heinrich-Heine-Platzのクリスマスマーケット。年明けてから暖かくなりましたが、
この時は本当に寒かったので、特に見て回る気も起きず、砂糖を絡めたアーモンドだけ買って摘んでました。



2011年1月10日月曜日

Duisburg: Landschaftspark


11月のことですが、日本から平和村に定期的に来られているお医者さんに便乗して、
DuisburgのLandschaftsparkに行ってきました。
これを登るのですが・・・


教会など、登りたがりの高所恐怖症(軽度)なので、基本的に登っている最中は全く下は見れません。


中腹?遠くの方には現役のティッセンの工場が見えます。


お手間入りな落書きや、愛を叫ぶメッセージなど、たまに現物を生かした利用方法に出くわします。


現役時代、従業員の方が歩いていたところを歩けるので、なかなか迫力満点です。


頂上まであと一歩のところで本当に無理かと思いましたが、なんとか助けを借りて登りきりました。
降りる時も一目散に下降です。

ルール工業地帯に散らばるこうした工業遺産。
また機会があれば、行ってみたいと思います。




2011年1月8日土曜日

Düsseldorfを見直して見る




新年、明けましたね。
このblogを訪れてくださるすべての皆さまの、実が花となるような一年でありますよう、お祈り申し上げます。

昨日はDüsseldorf: デュッセルドルフに行ってきました。
こちらに来た当初から、Düsseldorfがおもしろいかはどうかは別として、一応このNRW州の州都であるこの街には度々来ています。何故かというと、住んでいるOberhausenの従来からある街は、新しい街の中心として巨大なショッピングセンターができて以来、魅力が超貧弱になってしまったので、そのショッピングセンター以外に足が向く先が、Oberhausenを出てDüsseldorfになるのです。Düsseldorfは日本企業が多く進出し、人口の5%は日本人と言われるほどなので、何かと日本人的入り用ができる街です。
確かにそれは便利かもしれないけど、私は駐妻ではないので、なんでここまで来て日本を感じなければならないのだと、前々から引き目に斜めから見ていました。ただでさえドイツなのに日本人と共同生活を送るので、近くの行き易い大きな街がDüsseldorfであることに、残念な感を抱かずにはいられませんでした。

そんな風に要するに、Düsseldorfの先入観として真っ先に日本(人)が上がってくるのですが、それとは別の魅力にようやく気付き出した今日この頃。以前、Bio系のスーパーを探してPempelfort: ペンペルフォルトという地区に行き、そこが気に入って以来、ある回り方が固定化しつつありました。Hbf: 中央駅からトラムの707番Unterrath行きでVenloer StraßeかDreieckで下車。そこがPempelfortでしばし居座ります。そして715番のトラムに乗り、Heinrich-Heine-Allee(旧市街地の入り口で、この界隈はいわゆる繁華街)で下車して店(衣料品系)を見て回り、U-Bahn: 地下鉄でHbfに戻るというパターン。もっと散策をしたいものの、それには寒すぎ暗すぎるので、基本店内行脚をしていました。

PempelfortはNordstraßeを中心に、豊かな活気溢れる商店&住宅街が形成されています。このNordstraße界隈で開かれていたWeihnachtsmarkt: クリスマスマーケットは、地区の一角に移動遊園地のアトラクションみたいなものも出ていて、何より個々の屋台のオリジナリティが良くて、かつ全体的に気取らない心地よい雰囲気のあるマーケットでした。この地区に着いたら“Grill 87”できつね色に揚げられたPommes: フライドポテトを立ち食いし、スタバで2時間無料でネットをしながらくつろぎ、少し店(生活用品系)を見て回る、という過ごし方にはまっておりました。



昨日はそんなパターンから脱すべく、直でHeinrich-Heineへ移動し、ちょっと大回りめに歩いてみました。旧市街地の入り口にWeihnachtsmarktが催されていたときは、その奥に目が向いていなかったのですが、大きな広場を四方に囲む形の建物には、Jadesというセレクトショップや、ランジェリーを扱うお店、カフェなどが入っていました。そこを抜けてライン川の方へ歩いて行くと、Jokersという本屋、Butlersという雑貨屋など、Freiburgでよく覗いていたお店を発見し、Düsseldorfではこんなところにあったんだと、自分の無知さに気付いたのでした。
Butlersは品揃えは特に店舗さはないと思うのですが、JokersはFreiburgの方がよかったです。小さな店舗だけど、他の本屋と比べて芸術系の本が濃縮されて置いてある本屋で、そのイメージが強かったのですが、Düsseldorfの方はなんだかぼやっとした感じ。一般的な書店と特に代わり映えのない印象を受けました。そこを過ぎるとCarlsplatzという広場に出る。毎日なのか固定の曜日で催されているのかは知りませんが、市が出ていました。さらっと通り過ぎただけですが、なかなか充実したバリエーション。Bioの屋台や、フランス風のケーキを扱う屋台ではマカロンも売ってました。

このCarlsplatzに面した位置にある、服屋さんがかわいかったです。名前をチェックしませんでしたが・・。なんだかもう、H&M、ZARA、vero moda、promodなどチェーンの店しか見ていませんでしたが、こちらに来て初めてかわいい個人の店に入りました。値段もチェーンの店を見ている人の許容範囲でよかったです。私は、今度収入の入る仕事に就くまでは服を買わない、という自分との約束(一回破った)があるのですが、特に欲しいものはなくても、Saleの時期というのは自然に身体がその空気に触れることを欲してしまうようです。基本的にやはり服を見るということが好きなので、この時に限らず足を取られてはいますが。
それにしてもこちらは寒いせいか、結構なボリュームの、がっつり温かいコートでも、日本で同じようなものを買うよりは安く売られています。ドイツ人はやはり服につぎ込むお金が少ないのか、手頃な値段の店が多いと思う。Jadesのようなセレクトショップは日本にはごろごろあるけど、こちらでそうした店に行くのはほんとに一部の人間。ともかく、冬物、革物は、ドイツで買うのがいいなと思います。あとZARA。日本でZARAで買い物をし、€の値段を見て引くことが多くありました。これに対してこんなにお金は出せないなと思う商品が多くありましたが、裏を返せばこちらでは安い割にいい印象を受けます。H&Mは日本でも安く、€の価格設定と大差がないように感じていましたが、それはやはりあの気持ち悪いほど大量の広告をうっているからなのだろか。

Carlsplatz周辺には、frischwerkというSuppe: スープ&パスタ屋さんや美容院、チェーンではない服屋さんも多くあり、なかなか人の集うエリアなんだと確認できました。そして旧市街地を横切って、K20と呼ばれる美術館へ。昔一度行ったことがあり、その時Henri Matisseの布バックを買ったMuseum Shopが目的だったのですが、改装していて驚きました。Museum Shopはほぼ書物で、グッズは割と追いやられ気味。Woyton cafeでネットができるという情報を小耳に挟み、実はHeinrich-Heineから歩きはじめた初っぱなに見ていたカフェがそうだったので、入ってみました。私が入った店舗はネット対応はしていなかったのですが、スタバより安くて、入ったら気軽で心地のいい空間がありました。これからはWoyton cafeに出没しようと思う次第です。

長く書きましたが、ほんとはもっと余計なことを書いていて、削りました。
頭の中のタスクを全部書き出すことで減らすのは、あまりに見苦しいので、それは知らぬ間に自然消化できるようなバランスが欲しいです。Düsseldorf、やはり歩くということはよいこと。商業都市だし、潜在的にKunst: 芸術的な見所があるはずなので、また歩いてみようと思います。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。