2010年8月12日木曜日

Bangkok-Butterworth: 22時間マレー鉄道


マレー鉄道に乗りたかった。
特にこだわりがあるわけではないが、“鉄道”、“半島”、“横断”という私の好きな3つを満たしてくれるのがそれだった。
一般的に言われるマレー鉄道は、タイ〜マレーシア〜シンガポールをつないでいるもので、全線を制覇するには最低2回は乗り換えなければならない。私はクアラルンプール(KL)まで行くので、BangkokからButterworth、ButterworthからKL間を2泊3日かけて南下します。

14:45にBangkokから出発すると、しばらくして乗務員さんが車内食の案内を持ってきた。
夜と朝ご飯の組み合わせで、4つの選択肢がある。欧米の旅行客も多いからかVeg.のものもあったので、これにすることにした。写真は晩ご飯。値段はちゃんと覚えてないけど、かなり安くてよい印象。
向かいの席の若い兄さんは、ご飯時に乗り込んで来たおばさんから、発泡スチロールの容器の入った食事を3つ買って、2つを食べていた。地元民に倣うも、単純に旅行者になっても、食いっぱぐれることはない。


車内の作りは、Nong KhaiからBangkokまで乗車した時と同じタイプ。
その時は上の段だったので、今度は下の段にすることにした。既に枕が作られて、皆、食後のおくつろぎタイム。
車窓からの景色は、なんだかどんどん暖かい所へ向かっていると、植物が教えてくれている気がする。バンコクより南のタイという国土を思い出し、ちょうどあの細い部分を走っているんだなと想像する。海が見えやしないかと期待するが、ゴムっぽい背の高い植物が続きは途切れの繰り返しだったような。
外の景色が全く楽しめなくなったころ、乗務員の兄さんが、上の段のベッドを手際よく作りにかかった。
既に年季の入った参考書を見直したり、音楽を聞いて、就寝。


起床。
朝食はフルーツやコーヒーなどを含んださわやかなラインナップ。
いつだったか通路を挟んで横の席のメンツが変わっていた。子供2人を含む家族連れ+いるべきところに収まったくま。マレー鉄道はそんなにスピードは速くなく、割と泊まる駅も多い。長旅に利用する人や、近距離を移動する人などいろいろである。


前のお兄さんはただ黙々と席に座っている。
私も黙っていままでここまで流れてきたことを思い返したりする。
色んな強い感情が起こったが、マレー鉄道に乗ってもなお、Wienに行き、Hundertwasserの生誕80周年記念展を見られなかったことを後悔する。悔やむ気持ちを押さえきれず、購入した図録をじっと眺める。


どうやらタイ/マレーシアの国境に差し掛かった模様。
ゆっくりと場所を定めて列車は泊まり、乗客は荷物をすべて降ろしてパスポートコントロールへ。
青いパスポートのタイパンツを履きこなす、感じのいい青年がいた。その子の後に続いて列に並び、順番がきて荷物検査を受ける。スーツケースを開けさせられたが、Freiburgで買った、ビールグラスに入ったビールのグミを見て、どこから来たのか聞かれる。割と好意的に受け止められたようで、他の人より早くそこを通過。今までの教訓に習って、忘れずにタイバーツをすべてマレーシアリンギットに交換し、列車に戻る。
マレーシアに入った後、もう少し列車は進み目的地に近づいて行く。
トイレに行ったり、歯を磨いたりして、降りる準備を整える。


(3, 4. Mär. 2009)

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