2010年8月19日木曜日

Pulau Pinang: Penang Island


ということで、さっそく鉄道の駅から看板が示す方向に進んでフェリーに乗車。
まさかのペナン島行き。行き先と旅程を完全に決めてかかった旅の中で、唯一思ってもみなかった地名。
もうひたすら流されている。常夏な気候だけど、フェリーは風をきるので気持ちがよい。イスラム教が国教なので、スカーフをした女性をちらほら見かけて新鮮に思う。

20分ほどでペナン島に着くと、参考書の地図を手がかりにして、街の中心の方へ向かう。
ジョージタウンという、この島で最も栄えているエリアにある、Komtar: コムタという巨大な複合ビルを目指すことにする。知らなかったけど、ここはマレーシア第2の都市で、リゾート地でもあり、実は世界遺産の街。その街並みは、確かに淡くカラフルな建物の色合いがさわやかで、この気候に似合っていた。

暑くて朦朧としながらも、パラソル付きの人力車には乗らずただ歩き、コムタ周辺に着いてスタバを発見。しかもどうやらwifi完備+電源が取れるようなので、3つ穴の接続部をその辺で買って、ちょっと居座ることにする。
もう、なんだか完全に守りに入っている。現地民の集わないスタバに留まること自体、敗北しているに等しいが、身体がそれを求めてしまった。そんな守りに入った自分を鼓舞して、マレーシアの「素食」レストランに行くことにする。


扉のない、道路に面した店構えで、自分の好きな料理を皿に盛る。量り売りだった。割と一人でふらっと食べにきているような客がいて、ベジタリアンレストラン特有の痛い感じがなかった。要するに食べ物の選択肢として市民権を得ているということ。この善し悪しで、その街の文化を汲み取ることもできるだろう。

長居する雰囲気ではなかったため、そこから近い、街の中心部の拡大図にもなるエリアをサラッと通る。安宿街で、もし自分がここに泊まるならあんな宿なんだろうな、ともしもを想像しながら軒先を拝見する。おもしろいことに、止まっている車、通り過ぎる車が結構いい車。昔のベンツとか。なんだったか、際立って多いなと思った車種があったけど、思い出せない。イギリス統治時代の名残を感じるような、そんな印象だけ残っている。


結局まだ時間があるので、Komtarに戻る。そのビルの展望台から(この時は無条件にあると信じた)ペナン島が見渡せればいいなと思い、上に登ろうとする。Komtarに隣接するビルも割りと高くて、広いフロアをうろうろしているうちに、どっちにいるかわからなくなった。私が最初にいた方は、Komtarではないショッピングモールのビルだった。Komtarに移り、それらしきエレベーターに乗るも、オフィスがあるばかりで、彷徨える旅人には完全に場違いなところだった。

そうこうしているうちに時間はやってくる。KL行きの列車は21時発だから、20時くらいから動けばいいと思っていたけど、案外時間がない。フェリー乗り場までの移動+20分フェリーに乗らなければいけないのに、時刻表というものを確認しておらず、かなり焦りながら時にはダッシュで暗い道を急いだ。ちょっと悠長にし過ぎた後悔と、この列車を逃すわけには行かない不安で息切れながら、滑り込むようにちょうど発車するフェリーに乗り込むことができた。ギリギリ21時前に着く時間だったから、ひとまず安心。最悪すべての計画が崩れることすら考えたほど、必死で走ったけど、こういう時の付きものなのか、列車がこなかった。待てど待てど来ないと、他の乗客たちも列車が来る方をずっと待ちわびた。ようやく列車が来たのは1時間ほどあと。完全な寝台タイプの自分の席を見つけ、寝床をつくった。


(4. Mär. 2009)

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