2010年7月11日日曜日

Heidelberg-Malmö-Lund: 16時間バス+フェリー+鉄道


友達Sはたくさん食糧をバックパックに入れて来ていた。
こちらの夜行バスも日本ととりわけ大きさも変わらず、荷物も多いので落ち着くポジションを何とか確保し、それをちょっともらう。私が好きなKräuterbutter(ハーブやスパイス入りのバター)があり、そういえば好きだったのになぜか忘れていたことに気づいた。パンと相性バツグンである。りんごも食べたらとりあえず寝る。

早朝、バスがまもなく着きそうな段階に差しかかっている頃に目が覚める。
着いたのはHamburg。何か近代的なバスターミナルで、今度はKopenhagen行きのバスが来るのを待つ。ここにヨーロッパ各地からのバスが集い、客は乗り換えを行う。
バスに乗ると、通路挟んで横に中国人の女の子がふたり。パリに留学中で、割と弾丸な北欧旅行を企てているようだった。同じアジアから来ているものとして親近感をおぼえる。前には黒人のおばさんがひとり。ブリュッセル辺りから来たと言っていた。Sは中国語もフランス語も話せるので、その多様さをいつもすばらしく思う。

あまり意識していなかたけど、そういえば海を渡るのである。
かつて「ドイツ 鉄道の旅」という本で、鉄道を丸ごとフェリーに乗せる“渡り鳥のコース”なるルートがあることを知り、いつか乗ってみたいと思っていたのがこれなのだ。Heidelberg-Malmö間でバスのチケットを買うとき、特にそんなことを明記しているわけでもなく、デンマークを通ることさえ忘れていた。


ドイツはPuttgardenでパスコントロールを受け出国、トラムの抜き打ちチケット検査みたいでちょっと緊張した。フェリー内に停まったバスから出て、45分間のフェリーを楽しもうと船内を徘徊する。黒人のおばさんはフランス語のみ会話できるようなので、Sと私も頭にある限りのフランス語を出して楽しくおしゃべりをする。デッキへ出ると、ものすごい強風。立っていることもままならないので、楽しむ間もなく室内へ退散。レストランや免税のお店もあり、皆思い思いの時間を過ごした後、バスへと戻る。

デンマーク、Rødbyで入国のパスコントロール。制服に身を包んだおじさんとおばさんが車内に見回ってくる。だいたいの人がすんなりOKだったが、前の黒人のおばさんがどうやら引っかかっているようだ。中国人の子とSは通訳に名乗り出ようとしたほど、皆で心配したが、結局おばさんは外に連れ出されたまま帰ってこなかった。おばさんの荷物を取りに来た人に聞くと、至上2度目の「国境で人が捕まる」に遭遇したことがわかった。
以前スイスで国境警察が列車に乗り込んで来たとき、同室のコンパートメントの黒人の兄さんが、横で手錠をかけられたことがあった。彼はDresdenからNapoliまで運ぶ気満々だったようだが、このおばさんはどうも自らその気があったようには思えない。割と楽しくコミュニケーションを取った後だったので、ショックだった。憶測を走らせてもしょうがないが、もし仮にさせられていたなら、とても哀れに思う。

Kopenhagenに着き、中国人の彼女たちと分かれる。バスを降りたのは鉄道駅が見える、車が行き交う道路上だったが、そこで何かの手違いでここからMalmöまでのバスは出ないことを告げられた。鉄道でMalmöまで移動することになり、買ったチケットを駅構内のバス会社に請求するはずだったが見つからず、今後私が乗るときに請求することになった。これに際してKopenhagen初上陸の私たちを、同じバスだったシャツが素敵な紳士がちょっと助けてくれ、移動中も相席し色々話をしてくれた。おじさんはMalmö近郊に住む人で、割とあのバスを使うことがあるそうだ。北欧に住む人たちからすると、オランダから流れてくる麻薬に迷惑していると言っていた。“まさに”な光景に出くわしたけど、島国の人が憧れる陸続きの国の悩みどころを知った。

15時半頃、ようやくLundに着き、友達Jと再会!髭をたくわえて、また新たな一面を見せてくれている。

(22. 23. Feb. 2009)

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