2010年7月12日月曜日

Lund: Hej

Jは街と反対側の学生寮に住んでいた。
駅から線路をまたぐ鉄橋を渡ると、使われていない列車があった。Lundのユースホステルらしい。そのかわいさに、Jの部屋じゃなくてこっちに泊まろうかなんて冗談も言いながら、半年振りの再会を実感する。
彼らと一緒に過ごした京都は、学生として暮らした京都で一番楽しい時だった。
私たちの共通語は当時から日本語で、私がドイツに行った後だからそこ楽しめて、4年で卒業していたら出会えなかった、ほんとに気の合う仲間なのだ。
寮は私の知るドイツの学生寮からすると小振りな3階建てで、その温かみがまさに“北欧”な感じがした。
Jの部屋は割と日本の一人部屋に近いサイズで、いろんなものが散らかっていてかわいかった。荷物をひとまず置き、晩ご飯の食糧を買いに出る。廊下ですれ違うと皆互いに「Hej(ヘェイ)」と挨拶をする。きゅんとくる響きである。

駅前のおそらく割と多くのLund市民の食を担っているだろうスーパーでお買い物。
普通のスーパーだけど、Bioのコーナーや野菜があったり、Jもスウェーデンのビオマークについて教えてくれた。朝ご飯などとりあえず必要かなと思うものをカゴに入れるが、自分でバーコードリーダーを持ち、バーコードを読み取っていくJ。バーコードを読み取った人専用のレジでバーコードリーダーを渡し、カードをかざせば会計は一瞬で済んだ。もちろん従来型のレジの人がバーコードを読み取るレジもあるのだが、システムを用い自分がひと手間かけ、効率化の先にある効果を選ぶJなのだ。
3人でいるのはどこにいるにしても楽しい。寮のキッチンはそのフロアごとの中央に1カ所、15、6人が使う、それに値する収納と広さがあった。冷蔵庫の陣地分けや掃除に関する寮ならではの文化がとても懐かしい。ここでも来る人皆気さくに「Hej」と言ってくれ、それだけでなんだか嬉しくなる。

料理をするのにSと私で試行錯誤していると、後ろから何か声がかかった気がして振り向くと、とてもかわいらしい女の子。話でよく聞いていたJの彼女のMだった。私たちが料理に気を取られていたせいか、Mが気配なく現れたせいか、そこにいた存在にかなり驚いた。彼女がドイツ人だと知っていたが、私はあんなにかわいいドイツ人に初めて出会った。
実はSとJと私のファーストコンタクトの場所にMもいて、その時私が一緒だった韓国人の友達と、Mのかわいさにどこの国の人だろうと想像したものだった。あとからドイツ人と聞いてびっくりしたのだが、もちろんドイツ人がかわいくないわけではなく、Mにドイツ人とは一線を画した雰囲気があるのだ。

ごはんを食べ片付けをし、部屋でまったりしながら明日の予定を話す。私はJの寝袋を借りて皆で転がって寝た。

(23. Feb. 2009)


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