2010年7月4日日曜日

Tokyo: 原美術館


本当は7月以降は社内(新大阪)勤務になるはずが、引き続き残留することに。
基本的に遠くに行きたい(大阪に行きたくない)と思っているので、私としてはよかった。ただJR東海(新幹線)と冷房の温度をめぐる寒い戦いを強いられるのが辛い。前に聞いて判明したけど、26.5℃でエコ出張なんておかしいでしょう。せめて28℃くらいにしてもらわないと、毎週乗る者としては恐怖でしかない。

そんな風に毒づきながらも、品川で下車。
何かで「ウィリアム エグルストン:パリ−京都」という個展が原美術館で開催されていることを知り、気になったので行くことにした。この写真家の人も初めて知ったのだけど、テーマにまず食いつき、説明に「カラー写真を芸術的表現の域にまで高めた先駆者」とあったので、カメラ購入検討中な私は見ておこうと思ったのです。
京急で北品川に移動し、歩いて原美術館を目指すも回りに気を取られていたせいか、外枠を一周してしまっていた。この辺り、御殿山は緑が多くセコムの入った家の多い住宅街なのですね。それにミャンマー、モーリタニア、セルビアモンテネグロ大使館なんて文字が表示されるものだから、興味がうずくのです。代官山の大使館勢もいいですが、何かぐっと来るものがあります。結局ミャンマー大使館だけ遭遇でき、原美術館に到着。
ちょうど同じ頃、シャトルバスも到着し、品川から無料走行が行われていることを初めて知る。入館しチケットを買うと、まもなくミュージアムガイドが始まるとのこと。ちょっとの彷徨いがもたらす絶妙なタイミング。美術館において、学芸員の方の解説を聞きながら回れるなんて嬉しい。この建物自体についてと、この個展についてのお話を聞くことができた。

それによれば、もともと私邸として作られたこの建物は、大使館や米軍将校のゲストハウスとして使われるという歴史を経て来たらしい。色んな用途に対応し人が踏み入れて来たわけだが、現在の美術館としてもアーティストにとても好かれているようで、人気の通った味のある空間だった。私は通過点として一度軍用になれる建物が好きなんだなと、うすうす気付いていた嗜好を確信することができた。
個展はというと、この人はその街の象徴的なものは撮らず、色彩的に感性にひっかかった被写体を撮っているようだった。なので、実際それが汚かったとしても関係なし。そんなに汚い物を捉えた写真が多かったわけではなく、自信のドローイングと合わせた展示も色彩的に楽しめたが、私は現実的なのです。きれいなものだけ、きれいだと思ったものだけ見せるのは、日頃目を向けない物を見るきっかけにはなると思うが、別にそれを訴えているわけではないので、私としてはそこまでです。と、現在の感覚からするとそう思ってしまうけど、この人以前はあまりこうした写真がなかったのだとすれば、「芸術的表現」と言われる通りなのでしょう。

久しぶりに美術館という場所に来れて、写真を楽しみ感性を働かせてよかったけど、やはり建物が好みだったことが一番の収穫でした。

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